天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

竹煮草

 ケシ科の多年草で、本州以南の日本各地に原産及び自生する。夏の開花時期に草丈1500~2500mmに達する高さになる。時として3000㎜に育つ株も出る。果実は平たい莢になってぶら下がり風に揺れてさやさやとなるので、ササヤキグサの名もある。有毒植物。

 

     馬飼も馬柵して住めり竹煮草       前田普羅

     竹煮草女の貌の変な時刻       長谷川かな女

     旅の傷その血いや濃し竹煮草        林昌華

     竹煮草土手は太宰の死処へ続く      阿部英雄

 

  竹煮草しらじらとして靡(なび)く道試歩する妻と踏切を越ゆ

                         五味保儀

  竹煮草影そよぎあふ側(わき)をすぎ暑しとおもふ製材の音

                         宮 柊二

 

竹煮草