2022-06-27 万緑 王安石の漢詩「万緑叢中紅一点」は古くからよく知られているが、俳句の季題 になったのは、以下の中村草田男の昭和十四年作からという。 万緑を顧るべし山毛欅(ぶな)峠 石田波郷 甕の濡れ一条黒し万緑下 平畑静塔 万緑の中や吾子の歯生え初む 中村草田男 万緑や神父の歩幅裾中に 神林信一 万緑や一人で渡る橋長し 砂井斗志男 万緑の中游ぐかにかへりきてここに左右の頬殴たるる愛 塚本邦雄 万緑