天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

苜蓿の花

 ヨーロッパ原産のマメ科の二年草。馬を肥やす牧草として江戸時代に輸入された。俳句では苜蓿(もくしゅく)と言う場合も多い。

 

     苜蓿(もくしゅく)や墓のひとびと天に帰せり   山口誓子

     われも坐す天文台苜蓿(もくしゅく)に     本田青棗

     苜蓿(もくしゅく)に一条自転車の轍       荻原光嶺

     うまごやし厚鉄板を重ね置く     長田 等

     サーカスのテントの裡のうまごやし  三船 弘

 

  一つかみほど苜蓿うつる水青年の胸は縦に拭くべし

                       寺山修司

  春の土めざめのごとく噴きあげてうまごやし萌ゆかなしみは萌ゆ

                       山田あき

 

苜蓿