天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

歌まくらー西行の場合(4/7)

[嵯峨]京都府右京区の西都一帯の地。嵯峨天皇離宮や貴族の別荘などがあった。

  此の里や嵯峨の御狩の跡ならん野山も果は褪(あ)せ変りけり

[小倉山]保津川渓谷の出口近く、大堰川を隔てて嵐山に対する。紅葉の名所。

  小倉山ふもとの里に木の葉散れば梢に晴るる月を見るかな

清滝川京都府愛宕山麓を流れて大堰川にそそぐ。白浪を詠んだ歌が多い。

  降り積みし高嶺のみ雪とけにけり清滝川の水の白浪

[常盤山]京都府常盤の付近にあった丘陵。常緑の意味をこめることも。

  常盤山椎の下柴かり捨てんかくれて思ふかひのなきかと

音羽山京都市東山区山科と滋賀県大津市の境にある秀峰。

  春立つとおもひもあへぬ朝出でにいつしか霞む音羽山かな

[鳥羽田]京都市伏見区下鳥羽と南区上鳥羽のあたり一帯の地。

  何となくもの悲しくぞ見えわたる鳥羽田の面の秋の夕暮

 

清滝川