天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

スポーツの歌ー水泳(1/2)

  潮ぐもる夕べのしろき飛込台のぼりつめ男の死を愛しめり

                    春日井 建

  追憶のもつとも明るきひとつにてま夏弟のドルフィンキック

                     今野寿美

*ドルフィンキック: バタフライの泳法で両脚をそろえ足の甲で水を上下に打つ

キック法。イルカの泳ぐ様子に似ているのでこの名がある。

 

  さながらに地上に遂(お)はれきたるごと翅(はね)透きて少女水に降りたつ

                    篠 弘

  ものは皆見えわたりかつ隔たりてつねにひとりと思ふ水中

                      古谷智子

  鞣(なめ)されて艶もつ体泳ぎたるあとの火照りを曳きつつ歩む

                      古谷智子

 

水泳