天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

洋楽器を詠むーオルガン

  くさむらの廃棄オルガン鳴らしおり息ふきかえせとわが鳴らしおり

                    波汐國芳

  オルガンのペダルは熊の舌のようふめふめふゆのあらしあまつぶ

                    加藤治郎

  オルガンの音澄明に深く弾く石工(いしく)のごとき節くれし手が

                   岡部桂一郎

  校庭にゆるく鳴りたるオルガンのファの狂いしを生きて来しかも

                    佐伯裕子

  草原に母のオルガンきこゆなりカノンやさしく誰かうたへる

                    榎 幸子

 

オルガン