油(あぶら)火(び)の光に見ゆるわが蘰(かづら)さ百合の花の笑(ゑ)まはしきかも
万葉集・大伴家持
月よみの光を清み神島の磯廻(いそみ)の浦ゆ船出(ふなで)すわれは
万葉集・作者未詳
久にあらむ君を思ふにひさかたの清き月夜も闇のみに見ゆ
万葉集・作者未詳
*大意: 長い旅路になるでしょう。そのあなたを思うと、清らかな月夜も、
まるで闇夜のように見えます。
おほ空を照りゆく月しきよければ雲かくせども光消(け)なくに
古今集・敬信
久かたのひかりのどけきはるの日にしづ心なく花のちるらむ
古今集・紀友則
春の夜の闇はあやなし梅の花色こそ見えね香やはかくるる
古今集・凡河内躬恒
闇晴れて心の空に澄む月は西の山べや近くなるらむ
新古今集・西行