2022-09-21 知覚を詠むー光・闇(3/3) 風のおと響きたつとき閃くと思ひて冬の光浴びゐる 鈴木幸輔 行きまがふけだものとわれひかりもち樹下の雪に青く灯りつ 前 登志夫 噴水が輝きながら立ちあがる見よ天を指す光の束を 佐佐木幸綱 竹は内部に純白の闇育て来ていま鳴れりその一つ一つの闇が 佐佐木幸綱 メスのもとひらかれてゆく過去がありわが胎児らは闇に蹴り合ふ 中城ふみ子 わが眼の底に咲く紫陽花を診たる医師暗室を出ていづこの闇へ 塚本邦雄 人がたをなして或る時訪ねくる思想あり初夏の闇より深く 馬場あき子 噴水