2022-09-24 知覚を詠むー暑さ・寒さ(1/3) ひとへなる蝉の羽衣夏はなほうすしといへどあつくぞ有りける 後拾遺集・能因 水の音に暑さ忘るるまとゐかな梢の蝉の声もまぎれて 山家集・西行 涼しくも衣手かろし御祓(みそぎ)川あつけはらひてかへるさの森 藤原為忠 *あつけ: 暑気 行きなやむ牛の歩みに立つ塵の風さへあつき夏の小車 玉葉集・藤原定家 うち沈む黒き微塵(みぢん)の照りにして暑(しよ)は果てしなし金の 向日葵(ひまはり) 北原白秋 やや暑き山の日ざかりの心よく大き西瓜をわりにけるかも 古泉千樫 西瓜