2022-12-16 わが句集・令和元年「からす瓜」 はるかなる夕陽手前のからす瓜 ひさかきのはるか上なる銀杏かな 蜘蛛の囲の主人おどろく落葉かな ささがにのねむりをさます落葉かな あらたまの元号待つやあきつ島 自転車をおほかた隠す花八つ手 鉄砲宿さくら並木の東海道 窓外に干し柿を見る湯宿かな 銭洗ふ妻を見てをり初詣 梅まつり梯子にあるく小猿かな たらの芽をてんぷらにしてラム酒かな 春きたる大島航路の白き船 老人と老犬がくる夕桜 新元号「令和」ことほぐ花見酒 流れくる雲にさそはれ桜散る 唐土の仲麻呂しのぶ望の月 窓に入る日差しに咲けりアマリリス 紫陽花のなだるる先に由比ヶ浜 何事か帽子に蝉のぶつかり来 墓じまひ決断迫る蝉のこゑ 墓じまひよりはこのまま雪の墓地 からす瓜