天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

水牛

水牛(webから)

 偶蹄目ウシ科。インド水牛、アフリカ水牛など。インド水牛は家畜として運搬や水田耕作に使役されるが、野生種がインドの一部の水辺に群生する。アフリカ水牛はサハラ以南に分布する。
 沖縄の本島、離島には、水牛車に乗って森林浴を楽しむ島内観光がある。竹富島(たけとみじま)には、人口より牛の数の方が多いという。次の二首目の由布島も沖縄八重山諸島のうちの一つで、水牛車が重要な観光資源になっている。


  水牛の黒きぬめりもうごきそむ国境近き陽のかたまりに
                       森岡貞香
  由布島はあやにつややに仏桑華咲きて水牛は人乗せてゆく
                      馬場あき子
  田に深く不発弾しづむを知りながらうたうたひつつ水牛を追ふ
                      山田富士郎
  反芻をつづけ立ちゐる水牛のかたはらに一頭の解体すすむ
                       森山良太

 後の二首は、平穏と不穏の対比で注意を引く。