2007-07-01から1ヶ月間の記事一覧
当て字だが、あめんぼう、と読む。飴に似た匂いがするというところから付いた名前とのこと。匂いがわかるためには、数十匹の個体をまとめる必要があろう。実験してみたいが、集めるのが大変。半翅目アメンボ科の昆虫の一種。この科の昆虫は、日本に20余種…
二宮町の吾妻山では、夏と秋とが同居している。山百合が咲きみんみん蝉が鳴くかたわらで、コスモス、女郎花、なでしこなど秋の花が咲き蜻蛉が飛んでいる。 梅雨明けに青きハンカチ買ひにけり 羽化したる蝉の一声杉木立 ギラギラと陽に濡れはしる蜥蜴かな 吾…
ユリ科の多年草。鬼百合に似た黄赤色の重弁花を開く。ノカンゾウ、ヤブカンゾウ、ヒメカンゾウ、ハマカンゾウ、ユウスゲなどがあるが、通常はヤブカンゾウを指す。ヤブカンゾウは、中国から渡来した帰化植物である。薬用植物の甘草と間違えられやすい。中国…
「短歌研究」8月号の小池光「短歌を考える」では、啄木の3行書きについて、示唆に富む分析をしている。要点を書き出すと、 啄木の3行書きは句の等時性と行の等時性が同時進行する 印象を与える。比喩的にいえば聴覚は短歌形式としての句 の等時性を感覚し…
磯釣りではまともな魚が釣れないのに、釣舟でほんの少し沖に出るだけで、魚屋で買うような大きさの魚が釣れる。江ノ島の状況がそうである。平日にも関わらず磯釣りをする人はいる。ヨットハーバー突端の燈台周辺や、江ノ島裏の岩礁海岸がスポットである。も…
熱帯アジア原産、ヒルガオ科の蔓草。奈良時代に遣唐使が中国から薬用の下剤として種子を持ち帰った。江戸時代以降、観賞用の栽培が盛んになった。その多様性から、遺伝の研究材料としても使われる。大輪種ともなると、洗面器を塞ぐほどの大きさの花がある。…
爬虫類綱カメ目の総称で、約230種が現存する。三畳紀末の最古の亀と比べてもあまり変っていないという。頭頸部のひっこめ方によって、曲頸類と潜頸類の2種類がある。 日本特産の亀は、潜頸類で石亀というが、その子が銭亀である。亀の子、銭亀は俳句では…
江ノ島片瀬海岸に続く腰越は、源義経が兄頼朝から鎌倉入りを断られ、虚しく引き返したところであり、平泉で頼朝軍と戦い自刃後、首を運ばれてここで首実験されたところであるが、現在ではしらす漁で知られている。乗り合いの釣舟も出ている。漁師は兼業で地…
東南アジア原産、バショウ科の多年草。現在では熱帯各地で栽培されている。品種は500を越えるという。わが国では主に台湾、エクアドルから甘味のある品種の青いものを輸入し、熟してから食している。夏の季語。 川を見るバナナの皮は手より落ち 高浜虚子 …
川崎大師の風鈴市は、今年は、7月18日から22日まで開催される。北海道から沖縄まで39都道府県の700種類、約20,000個の風鈴が揃い、価格は500円から200,000円まであるという。毎年出かけているが、何も変わったことはない。高浜虚…
カンナ科の球根植物。原種は熱帯各地に50種ほどあり、それらが交雑して現在の園芸品種ができた。分類することも困難なほどに品種が増えた。せいぜい高性品種と矮性品種とに区別するだけである。日本には明治年間に渡来した。秋の季語。 カンナ一群ここには…
アヤメ科の球根植物で、原産はアフリカおよび地中海沿岸。19世紀初頭から欧米で掛けあわされて作り出されたものが、園芸用として世界に広まった。秋植えの春咲きと春植えの秋咲きの2系統がある。花の色も多彩で変化に富む。夏の季語で、和蘭あやめという…
坂本龍馬の功績を賞揚したのは、司馬遼太郎の小説『龍馬がゆく』であろう。そこで妻「おりょう」の活躍も生き生きと描かれている。この小説を読んだ際には、「おりょう」の晩年についてあまり関心がなかったが、たまたま「おりょう」の生涯をたどった本が出…
ユリ科の多年草。日本、中国、朝鮮半島に30種程度が分布する。花の色には、白、紫、淡紫がある。若葉は食用になるという。俳句では、夏の季語。オオバギボウシ、コバギボウシ、スジギボウシ、タマノカンザシ、トウギボウシ、ミズギボウシ などの名を総称し…
アオイ科の落葉低木で、中国が原産地。挿し木でよくつく。園芸品種も多く、花の色には、紅紫、白、ピンク、青紫などがある。朝開いた花が夕方には萎むはかなさから、人の世に譬えて「槿花一日の栄」という言葉が生まれた。平安朝までは、朝顔と混同されてい…
JR根岸線の石川町駅で下車して、元町通りを歩き、途中から汐汲坂を登って外国人墓地、港の見える丘公園とたどり、神奈川近代文学館へ行く。いつものコースである。常設展で、「神奈川の風光と文学」のコーナーでは、25人の神奈川ゆかりの文学者の作品世…
マメ科の落葉高木。日本をはじめ東南アジアに広く分布している。「ねむ」の名は、葉が夕方になると睡眠運動によって閉じることからついた。花は反対に夕方ひらき夜に咲く。多数の淡紅色の長い雄蕊が目立つ。 象潟や雨に西施がねぶの花 芭蕉 合歓の花底なき淵…
横須賀は1877年に海軍港に指定された。その十二年前に、江戸幕府が小栗上野介に命じて洋式造船所を作らせている。太平洋戦争後の横須賀には、駐留軍の兵士と腕を組んで歩く日本の女、けだるいジャズにバーボン、タバコの臭いにむせぶ町という荒んだイメ…
泰山木はモクレン科の常緑高木。六月頃、白い大輪の香り高い花を空に向けて開く。北米が原産地で、日本には明治初年に渡来した。 ロダンの首泰山木は花得たり 角川源義 夢殿や泰山木の花ひらく 穴井 太 むすぼれし心もとけつおほどかに泰山木のにほふ夕ぐれ …
靖国神社拝殿の今月の社頭掲示は、昭和19年7月に、マリアナ諸島で戦死した二十二歳の陸軍兵士の遺書である。昭和37年に詠まれた次の昭和天皇の御製も出ている。 国のため たふれし人の 魂をしも つねなぐさめよ あかるく生きて 遺書には、「海ゆかば」…
シソ科の多年草。わが国では、一年草として栽培される。普通に花壇で見かける花は、サルビア・スプレンデンス(和名=緋衣草)という種類である。原産地はブラジル。なお、地中海原産のセージは薬用種である。 サルビアの静けさとあり爆心地 岡澤康司 秋とな…
江ノ島の辺津宮には、水無月祓(あるいは夏越の祓とも)に使われた茅の輪がまだ置いてあった。陰暦の六月晦日に行う半年間の穢れ落しの行事だが、陰暦を厳密に陽暦に変換して実施している神社ばかりでなく、水無月といえば6月だから、陽暦の6月としてしま…
蓮はスイレン科の多年草で、原産地はインドあたりらしい。有史以前に大陸から渡来したという。花の寿命は4日くらい。蓮華蔵世界(蓮華から出生した浄土)という言葉があるように、仏教とのかかわりが強い。 万葉集には、一首は長歌であるが、「はちす」とし…
七夕は、中国の星祭・乞巧奠が伝来したもので、751年成立のわが国最古の漢詩集『懐風藻』にすでに詠まれている。祭としては、755年にはじめて清涼殿で催されたという。『万葉集』には、130首程度に詠まれているらしい。以降は、勅撰集などで盛んに…
梔子(くちなし)はアカネ科の常緑低木で、多くの園芸品種がある。その名前の由来は、実が熟しても口を開かないところにあるという。その実から採った黄色の色素は、古くから染料として使われた。梔子色である。食品染料にもなる。俳句では、夏の季語。 口な…
漢名を楊梅という。山桃とも書く。ヤマモモ科の常緑高木で雌雄異株。3月〜4月に花穂をつけ、6月〜7月に実が暗紅紫色に熟す。食用になる。樹皮は褐色の染料に利用される。 山桃の日陰と知らで通りけり 前田普羅 農繁期楊梅に子らよぢのぼる 阿波野青畝 こ…
通称トラノオは、オカトラノオを指している。サクラソウ科の多年草。高さは、一メートル近くになることもあり、茎は直立して根もとの方が赤い。俳句では夏の季語。 掌に承けて虎尾の柔かき 富安風生 虎尾草や鐘掛岩は屏風立ち 本田一杉 梅雨でも休日の北鎌倉…
今年4月20日に、文春新書で発行された本。うかつにも今まで気付かなかった。著者は、樋口覚。あとがきによると、小池 光の勧めで「短歌人」の動物特集号に書いたエッセイがきっかけになったという。百種ばかりの動物を詠んだ古今の短歌五百六十首をとりあ…
大船フラワーセンターに行って夏の花をまとめて見てきた。これから日を追って紹介しよう。以下は、歩きながらとったメモ。 ポーチュラカ: スベリヒユ科 すかしゆり: モナ(黄色)、ルノアール(桃色)、 トレザー(橙色) 半夏生: 半化粧ともいう。どくだ…
北米原産のキク科の一年草。種子は20%〜30%の油を含む。このため最近は、トウモロコシと並んで、石油に代わる燃料エタノールの原料として注目を浴びている。 向日葵の蕊を見るとき海消えし 芝不器男 向日葵に剣の如きレールかな 松本たかし 向日葵や信…