2016-12-01から1ヶ月間の記事一覧
小梨、コリンゴなどとも呼ぶ。バラ科。死、五月に白色の五弁花を拓く。果実は球形で九月から十一月に黄色か紅に熟す。山野に生え鵜が庭木や盆栽にもする。 君折りし小梨の花の白じろとみどりは浅き五月の山々 武川忠一 その潔(きよ)き小梨の花の咲く五月にな…
次に彗星のうたをあげよう。日本では古来、その形状から箒星(ほうきぼし)と呼ばれた。彗星は通常、中心部に輝く核と、それを取り巻くボーッとしたコマ、尾から構成される。コマは、核から吹き出したガスやチリが核を取り巻いているもの。流星と違い尾を引い…
特殊な形態の星として、流れ星(流星)、彗星がある。ただし、流れ星は宇宙塵が大気圏に突入した時に空気との摩擦で発光するもので、燃え尽きてしまうか、地上におちて隕石になるので二度とは見られない。一方、彗星はそれぞれ周期をもつので、くり返し現れ…
12月24日(土曜日)は朝から快晴であった。二日前あたりから風が強く雨が降ったりで、憂鬱だったが、この日は出かける気分になった。それで腰越に出かけた。龍口寺の仏舎利塔、腰越通り、満福寺、小動の浜と見て歩いた。仏舎利塔の側面に安置された黄金のブ…
サトイモ科の多年草で、本州、北海道の湿地に生える。四、五月頃に楕円形の肉穂花序をつける。花序と仏炎包の形が僧の坐禅姿を想わせる。名前の由来である。だるま草とも言う。ただ全体に不快な臭気がある。花言葉は「沈黙の愛」「ひっそりと待つ」。 水鏡暮…
西洋から航海術や天体望遠鏡が伝わった近世以降では、南十字星、天狼星(シリウス)、オリオンなどが知られるようになる。シリウスは、おおいぬ座で最も明るい恒星で一等星の1つ。太陽以外では地球から最も明るく見える。 夜をこめてわれは識るなりはろばろし…
星の中でも特に明るいものは、天体望遠鏡が出現するはるか以前から注目されている。その代表が金星で、「宵の明星・明けの明星」「夕(ゆふ)星(つづ)」「あかぼし」などと呼ばれた。 夕星(ゆふづつ)も通ふ天道(あまぢ)をいつまでか仰ぎて 待たむ月人壮士(つき…
キンポウゲ科のつる性多年草で、林の端や川岸の荒れ地などに見られる。葉柄が他の植物の枝や葉に絡み付き、それによって植物体を固定する。花は8月〜9月に咲く。センニンソウの葉を用いて、扁桃腺炎の治療を行う民間療法がある。果実には白い毛があり、これ…
星月夜は星の明るい晩のことで、星の夜ともいう。星だけが耀いている星明りの夜である。 月をこそながめ馴れしか星の夜の深きあはれをこよひ知りぬる 建礼門院右京大夫 我ひとり鎌倉山を越え行けば星月夜こそ嬉しかりけり 二条皇太后肥後 星月夜さやかに照れ…
最初の歌の「ふかしぎの星」が、分るようで分らない。三首目の「或る星」とは、何を指すのであろう。ただこのふたつの作品の裏に、哀しい事情があることが感じられる。最後の歌の下の句は、あまりにメルヘンチック。 この子供に絵を描くを禁ぜよ大き紙にただ…
最初の歌の体言止め「春の夜の星」は、いかにも新古今調。オリオン座は、天の赤道上、おうし座の東にある星座。中央に三つ星が並んでいるのが目印。ギリシャ神話に登場するオリオンに見立てた。 高野山(たかのやま)杉生(すぎふ)の奥の常灯にならびて 出でし…
[注]同じテーマを続けては飽きるので、途中に別の話題を挿入しよう。 水族館は1830年フランスのボルドーに開設されたものが最初というが、近代的水族館の最初のものは1853年にロンドン動物園の水族館とされる。日本には、現在100以上の施設がある。その名…
以下で最後にあげる歌の作者下河辺長流は、江戸時代前期の歌人・和学者である。木下長嘯子に私淑し、俳諧連歌の祖西山宗因に連歌を学ぶと共に『万葉集』の書写・研究に努めた。星と螢の取合せは、平安朝以来の様式だが、「おちて石ともならぬ間」が新鮮。 ほ…
和歌では星と螢の取合せがいくつも詠まれている。以下では藤原良経と在原業平の例がある。ちなみに古典和歌では、星よりも月がはるかに多く詠まれているようだ。(「二十一代集データベース」で比べてみた調査があり、月は星の70倍以上だったという。) 沢…
星(ほし)の語源として、「ほ」は「火」で、「し」は「白」あるいは「ささ(細)」からなるという。日本の神話においては、太陽(日)や月は主役を演じるが、星は彦星・織姫の話くらいにしか現れない。ただ、『日本書紀』に天津甕星(あまつみかぼし)という…
先日、今年の湘南国際マラソンが開催された。想像を絶すると言えば誇張しすぎだが、ともかくとんでもなく大勢の参加者だった。 紀元前490年、マラトンの戦いで伝令がアテナイまでの約40kmを走って勝利を告げたという故事にちなんで設けられた競技。1…
翼手目は約980種程が知られているが、その種の数は哺乳類の4分の1に及び、ネズミ目(齧歯類)に次いで大きなグループを形成するという。超音波を用いたエコーロケーションを行うことでよく知られている。種によるが30kHzから100kHzの高周波を出す。 陽を避け…
翼手目の総称で哺乳類中唯一の飛行動物。蚊などをよく食べるので蚊喰鳥とも呼ばれる。古くは「かわほり」と言った。初夏から晩秋にかけて活動。 語源として有力な説は、「皮」が「張る」形の翼をもつところか「カワホリ」に転じたというもの。 人もなく鳥の…
今年の紅葉狩りも終り。ということで念の為に源氏山に行くことにした。その前に銭洗弁財天に寄って千円札と硬貨を笊に入れて洗った。そこから坂を登った源氏山周辺の紅葉は大方散って、頼朝像が寒々と座って見えた。ただ、化粧坂を覗くとまだ残っている紅葉…
大磯の地獄沢の紅葉は、凄まじいという言葉が当てはまる程迫力がある。今年も尋ねるべくJR東海道線に載ったのだが、地獄沢のあたりの山は、車窓から眺めるかぎり紅葉には遠い(時期尚早)と思われた。それで大磯駅に降りてから急遽、城山公園に向かう事に…
藤沢の新林公園の黄葉を見に行った。ここも今が見ごろだった。旧小池邸という古民家は、解説によると新編風土記に出ており、江戸時代には名主をつとめた旧家であった。もとは柄沢にあったもので、昭和58年にこの地へ移築した、建物は天保12年(1841年)に棟…
円覚寺山門周辺の紅葉も見事で、カメラを向ける観光客たちで混雑していた。松嶺院の境内、龍隠庵の境内を巡り居士林前の紅葉を見上げた。舎利殿、佛日庵を覗き、一番奥の黄梅院・聖観音堂上の紅葉を堪能した。 東慶寺では、山門前の石段途中から山門を透して…
最近は二宮町の吾妻山に上ることが少なくなったが、今年は紅葉を見逃すまいと頑張って登ってきた。役場口から登ると突然の急坂なので、少し廻り道して梅沢口からジグザグの道を登った。 吾妻神社の鳥居の上および石燈籠横の紅葉はきれいであった。山頂に着く…
今年は瑞泉寺の紅葉狩りに行くべく、11月に入ってから見頃の時期をネットでチェックしていた。そのかいあって晴天の瑞泉寺の紅葉に出逢えた。JR鎌倉駅から鎌倉宮行きのバスに乗り、終点で下車、あとは瑞泉寺まで歩く。バスも道路も混んでいて落ち着かなかっ…
湯河原には今までに泊りがけで三度ほど行っている。今回は日帰りで紅葉を見に出かけた。JR湯河原駅から奥湯河原行きのバスに乗り、落合橋で下車、観光会館前の万葉の歌碑(「注1」参照)横の小さなトンネルを潜って、瀧のかかる小川沿いに上方に歩く。今回は…
[教師生活] 生徒の面倒をよく見て人気のある先生であったようだ。 ニュートンの瞳の色と落体の林檎の色を語りし授業 晴天に真白き富士の雄なるを眺めて朝の授業に向かふ 「あ、香水が変はつた」と生徒言ひにけり若き教師とすれ ちがひざま 青春は嗚呼、肉…
歌集『いとしきもの』田村よしてる 六花書林 が届いた。田村さんは去年十二月二十八日に六十六歳で亡くなった。浦和実業学園高校の理科の先生で、小池光さんの同僚であった。2001年に、その小池さんを師匠と決めて短歌人に入会した。生前から歌集を出したい…
神奈川県の大山の紅葉について、昨年は失念して訪れなかったが、今年はテレビのニュースで見たこともあって、晴天の日を選んで出かけた。気象観測史上初めての十一月の積雪ということで、黄葉の木々が雪を被った。参道に沿う杉木立からは、雪解けの雫がした…
弁天島の周囲に人が住み始めたのは縄文中期以降とされ、弁天島湖底遺跡からは弥生時代の土器も確認されている。海進、海退、数度の大地震などにより、舞阪の西の端が切れ弁天島となったという。 1708年創建の弁天神社は、海上交通の安全を掌る市寸島比売命(…
東海道舞坂宿は江戸から30番目の宿場で、浜名湖の今切渡しの渡船場であった。舞阪の脇本陣は、旧東海道では唯一の脇本陣の遺構という。玄関を入ると受付のおばさんが出て来て、ずっとついて説明してくれた。客は他にいなかった。脇本陣は文字通り、大名行列…