天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

西瓜

わが食卓より

 「すいか」と読む。熱帯アフリカ原産のウリ科のつる性一年草。現在普及している果肉用の西瓜は、明治初年にアメリカから輸入されたという。品種は150以上というから驚く。日本ではまんまるな種類しか見たことがなかったので、南カリフォルニアに留学していた頃、買って食べた細長い西瓜の大きさと甘さにびっくりしたものである。


     刃に触れて罅(ひび)走りたる西瓜かな
                   長谷川櫂
                

  砂畑にごろりごろりと転がりて寄りどころなしや
  末生(うらなり)西瓜         窪田空穂


  西瓜割れば赤きがうれしゆがまへず二つに割れば
  矜(ほこ)らくもうれし        長塚 節


  原産地ならずと聞きておどろけり総(ふさ)の春野に
  ひさげる西瓜            田谷 鋭


  西瓜ぱくりと割るる爆笑この国の男それぞれの真紅
  の孤独              佐佐木幸綱


  どう切っても西瓜は三角にしか切れぬあとどのくらいの
  家族であろう            永田和宏