天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

木瓜(ぼけ)の花

鎌倉収玄寺にて

 中国原産、バラ科の落葉低木。日本には江戸中期に渡来したらしい。花の色によって、「緋木瓜」「白木瓜」「更紗木瓜」などがある。更紗木瓜は、紅白混じった花。実は薬用になる。


     古木瓜を咲かせて陶師沈寿官    清崎敏郎
     腹空けばそのことばかり更紗木瓜  八木林之助


  かたまれる木瓜の白花玉のごとし萼のみどりあひ映りつつ
                    鹿児島寿蔵
  妻亡くて十三日目と数へみる塵芥捨つる庭木瓜赤ければ
                    田谷 鋭
  堕天使の歩む背後に言い知れぬ幸いとして赤き木瓜咲く
                    花山多佳子