天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

田浦梅林

田浦梅林にて

 JR横須賀線田浦駅から歩いて20分ほどのところに小高い山があり、麓から山頂にかけて2700本に余る梅が植えられている。根元には水仙が植えられていて、その株数は7万5千もあるという。この梅林は、昭和9年に皇太子(現在の天皇陛下)の生誕を祝って地元の住民の有志が700本の梅を植えたことに始まる。昭和57年頃に隣接する田浦緑地にも市が梅の植樹を開始したことにより規模が拡大した。「田浦梅の里」と呼ばれている。
 2月25日のブログでは、梅の花はほとんど咲いていないと書いたが、今回は花の盛りをすぎて散り始めていた。草叢のオオイヌフグリの花も水仙の花も見ごろであった。


     そこここの門に沈丁梅の里
     白梅が山になだるる梅の里
     はるかには軍港が見ゆ梅の里
     皮とりし柚子七つ浮く朝湯かな


  おほかたは白梅にして散り初めし田浦梅林水仙の道
  雲海と言へばうべなふ眼下(まなした)の山になだるる
  梅の花


  梅林の花ちり初めし草叢に青き星屑オオイヌフグリ
  青白きオオイヌフグリの草叢に散り交ひつもる白梅の花
  幼子と媼と坐りもの食ぶる山のなだりの白梅の花