天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

貝母(ばいも)

円覚寺にて

 編笠百合のことでユリ科バイモ属の半蔓性多年草。乾燥させた鱗茎が貝母と呼ばれる。観賞用として栽培される。中国原産。粉末が去痰・鎮咳・催乳・鎮痛・止血などに用いられるが、心筋を侵す作用があるので副作用として血圧低下、呼吸麻痺、中枢神経麻痺を引き起こす事もあるという。


  さびしらに咲ける貝母の花をいけてこよひの暗き灯火
  (あかり)にむきぬ             岡 麓


  庭さへも杖を持たねば不如意にてたそがれ貝母(ばいも)灰白
  のはな                  宮 英子


  薄紙につつみて母が持ちくれし貝母の花の今朝は散りたり
                       上村典子