天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

花蘇芳

浜松市緑化推進センターにて

 ハナスオウは、中国原産のマメ科の落葉小高木。4月、葉に先立って紅紫色の小さな花を枝いっぱいにつける。豆形のさやの実は、片側に狭い翼がある。1695年に渡来したという。


  花蘇芳(すはう)かなしみひらくごとく咲きこころ誤た
  ざれ一日は             高嶋健一


  塀越えて花咲く木見ゆちちのみの父が教へし名は花蘇芳
                  蒔田さくら子
  それぞれに秀に花をもつ木々の中紫荊(はなすおう)一樹
  の反逆の幹             島木正靖


  花蘇芳枝に咲き群れこまかなるそのかなしみは紫にして
                    松坂 弘