天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

硝子(1/2)

NHK-BSプレミアムの映像から

 ガラスは、もともとは植物の灰の中の炭酸カリウムを砂の二酸化ケイ素と融解して得られた。その歴史は古く、紀元前4000年より前にエジプトやメソポタミアで二酸化ケイ素の表面を融かして作製したビーズが始まりだと考えられている。


  ほととぎす今年は聞かずけだしくも窓のガラスの隔てつるかも
                       正岡子規
  日の光金糸雀(カナリヤ)のごとく顫ふとき硝子に凭(よ)れば
  人のこひしき               北原白秋


  わがへやの硝子くもりてみえわかぬ雪はしづくをおとしそめたり
                       潮みどり
  隕石の飛ぶ夜もわれに夢あらず窓の扉(と)おろすガラスはうすき
                      前川佐美雄
  白い手紙がとどいて明日は春となるうすいがらすも磨いて待たう
                       斎藤 史