天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

土偶

国宝の土偶

 東京国立博物館のブログ(注を参照)の説明を引用しよう。土偶とは人形をした土製の焼き物で,女性を誇張,あるいはデフォルメした像が多い。縄文時代の早期に出現し,頭部の表現を欠き,かろうじて人形と判断できる板状の扁平なものから,中期頃に立像へと発展する。後・晩期に最も発達し,様式化した各種の土偶が登場するに及びその極致を迎える。


  顔欠けし土偶なれども幼子を抱けば母のかなしみまとふ
                     松田久恵
  ほうと声放ちて今に呼ぶならん土偶はまろき口開きしまま
                    清原日出夫
  人群れに押されつつ視る立つたまま子を産みさうな土偶の女
                     小林幸子
  中空の夢にもみえよ青き土偶 両性具有(アンドロギユノス)
  の形代として
                    山中智恵子
  遠山の谷に辛夷のしろきときほほほほほほと土偶の唄ふ
                    牛山ゆう子


[注]東京国立博物館
http://www.tnm.jp/modules/r_collection/index.php?controller=dtl&colid=J38392