あるともなき朝の風に狗尾(えのころ)草が、鉄路の傍でゆれて いる。虫のすだく声が地に染み込むように聞こえる。 電車を待ちながら、原民喜の小説「美しき死の岸に」を読んでいる。 全体が散文詩のような作品だが、「秋」より。 窓の下にすきとおった靄が…
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