天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

2006-03-03から1日間の記事一覧

否定のもつ力

短歌表現における否定の力は、定家の有名な次の歌の鑑賞で常に言及される。 見渡せば花も紅葉もなかりけり浦のとまやの秋の夕暮 すなわち、花も紅葉もなかったという否定が、読者に否が応でも先ずはあった状況を思い描かせ、それから無い状況を思うという順…