天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

2006-09-08から1日間の記事一覧

『憂春』(2)

この歌集を読み終えた。やはり一番印象に残ったのは、小島ゆかりの独自の措辞や比喩の卓抜さであった。先にあげた例の続きをあげておく。 思はねばパレスチナいま無きごとし煮え湯のやうな夏のかげろふ 吹き晴れてなほゆたかなる風の房 山鳥のごとく秋は来に…