天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

2010-11-30から1日間の記事一覧

鑑賞の文学 ―俳句篇(4)―

月天心貧しき町を通りけり 蕪村 [朔太郎]月光の下、ひとり深夜の裏町を通る人は、だれしも皆こうした詩情に浸るであろう。しかも人々はいまだかつてこの情景を捉え表現し得なかった。蕪村の俳句は、最も短かい詩形において、よくこの深遠な詩情を捉え、簡…