天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

2010-12-05から1日間の記事一覧

鑑賞の文学 ―短歌篇(5)―

雲を雲と呼びて止まりし友よりも自転車一台分先にゐる 澤村斉美『夏鴉』 [穂村 弘]今このとき、「友」と〈私〉の間にあるものは「自転車一台分」の距離に過ぎない。その近さが逆に、二人の存在や人生は決して交換することができない、という「生の交換不可…