天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

2010-12-06から1日間の記事一覧

鑑賞の文学 ―俳句篇(5)―

ひとつづつ冷たく重く蚕(かひこ)かな 長谷川櫂『天球』 [飯田龍太]一切の粉飾を去った裸の眼でとらえた句だ。眼というより心の据えどころか。例えば「をりとりてはらりとおもきすすきかな 蛇笏」にいくぶん似た感触だが、それよりも更にひややか。特に「冷…