裏戸(うらと)いでてわれ畑中(はたなか)になげくなり人の いのちは薤(かい)のうへのつゆ 斎藤茂吉『石泉』 [塚本邦雄]久久に見る離れ業である。それも現実と観念との並列照応といふ一種の定石ではなく、上句下句の鮮やかなコントラストでありながら、その双…
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