天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

2010-12-18から1日間の記事一覧

鑑賞の文学 ―短歌篇(7)―

裏戸(うらと)いでてわれ畑中(はたなか)になげくなり人の いのちは薤(かい)のうへのつゆ 斎藤茂吉『石泉』 [塚本邦雄]久久に見る離れ業である。それも現実と観念との並列照応といふ一種の定石ではなく、上句下句の鮮やかなコントラストでありながら、その双…