天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

2011-01-05から1日間の記事一覧

鑑賞の文学 ―短歌篇(9)―

生きてゐる証(あかし)にか不意にわが身体』 割(さ)きて飛び出(い)で暗く鳴きけり 前川佐美雄『捜神』 [伊藤一彦]この歌で大切なのは、「身体(からだ)割(さ)きて飛び出(い)で暗く鳴」いたものの正体ではない。それは佐美雄自身にも分らぬものと言っていい。…