天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

2015-09-24から1日間の記事一覧

谷の歌―前登志夫

吉野下市町に生まれ育った前登志夫の『霊異記抄』には、 以下の15首がある。 谷くらく蜩蝉(かなかな)さやぐ、少年の掌(て)に あやめたる黄金(きん)のかなかな 艶めきて椿の谷を冬わたるこの負債者に沼凍るなり 昼の星さやげる谿をのぼりくる童子を呼…