天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

2016-08-01から1ヶ月間の記事一覧

風の詩情(10)

植物に吹く風を意識した風の名前もある。特に松風や荻吹く風の歌は多い。 *松風 宿にある桜の花は今もかも松風速み地(つち)に 散るらむ 厚見王『万葉集』 さびしさに憂世をかへてしのばずはひとり聞くべき 松の風かは 寂連『千載集』 思ひかねうちぬる宵も…