天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

2017-08-09から1日間の記事一覧

古典短歌の前衛―酒井佑子論(9/11)

□病の歌 咲ききりて五日を保つ薔薇の花わが腹腔の腫物 (しゆもつ) 育つや 『地上』 *薔薇の花を見て作者の腹腔に生育する癌細胞を思ったのだが、 「咲ききりて五日を保つ」という措辞には、癌細胞にもピーク があるのでは、という楽観もあるようだ。 恰も夏…