天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

山頂の榎(2)

かまつかの実(吾妻山)

 榎は、ニレ科エノキ属。本州から九州、朝鮮、中国に分布。実は食べられる。野鳥も好み、方々に運んでゆく。材は建築や器具などに利用される。


      鵙啼くや立入禁止の木の遊具
      もみづれるかまつかの実の赤きこと


  流れ来し弟橘媛の櫛、小袖祀りし縁 吾妻山はや
  西に富士北に大山南には大島見ゆる頂にして
  葉をすべて落として眠る合歓の木の根方あをあを水仙生ふる
  仇討の大願成りしお礼にと木花咲耶媛をまつりぬ
  新しき小さき明鏡しづもれり木枯わたる浅間神社
  木枯に辛夷もみぢのささめけばターザンロープ揺れ始めたり
  二人乗りいかだレースの箱車ロープたぐればレールを走る
  山上にローラーすべり台はあり陽の血の色のカンナ咲く道
  根を張りて幹ねぢれたる常緑のトウネズミモチ樹勢強健
  穏やかなる気候の下に暮しけむ山のふもとの長寿の里は