天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

足柄郷

開成町・紫陽花の里

 今年も南足柄市開成町の「あじさい祭」に出かけた。去年は雨の中を歩いたが、今回は幸いに雨は降らなかった。毎年訪れているので、隅々までわかっているつもり。何も変ったことはなかった。


      あぜ道にあぢさゐ競ふあしがり郷
      枇杷の実のくらみて熟るる瀬戸屋敷
      豪農の庭に花さくアカンサス


  あぢさゐの咲くあぜ道をわがゆけば白き蝶とぶ早苗田の上
  バスで来し年長さんの園児らが手をつなぎゆくあぢさゐの里
  足柄の水音たかきあぜ道のテントに売れるとりたて野菜
  ハナアオイ、アジサイ、アヤメ、咲きさかる水音たかき
  あしがりの郷


  黄の帯と紅の襷もあざやかに浴衣がをどる花笠音頭
  レコードが途中でとまりやるせなし北海ソーラン節の踊りは
  北海の銀のうろこに肌ひかる娘はゐない里の踊りは
  をはりても拍手はまばら媼(おうな)らの鹿児島おはら節の
  踊りは


  見るよりも踊るがたのし紫陽花の里のまつりの老婦人連
  足柄の紫陽花まつりの婦人連踊りをはれば腰まがりたり