天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

美しい日本語

 ただいま三連休の旅行中。JR岡崎駅前のホテルから入力。
NHKアーカイブスで、詩人の堀口大学にインタビューした
映像を見ていたら、彼は日本語は大変美しい言葉だと盛んに
強調していた。そのことが印象に残ったせいか、旅行に持参
した斉藤茂吉の歌集『のぼり路』の歌に出てくる美しい
日本語が目に付いた。例えば、


御陵(みささぎ)、高千穂、つばらに、あへなくに、
ひよどり、豊酒(とよき)、姶良郡(あひらこほり)、
天降川(あもりがは)


など、固有名詞にも副詞にも枚挙にいとまないほどある。歌になると


遠々(とほどほ)し薩摩(さつま)のくには日は入りてたなびき
にけり天(あめ)のくれなゐ


こうした美しい言葉で詩を作ることの幸福を堀口大学は言っていたのだ。