天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

八つ手

藤沢新林公園にて

 ウコギ科の常緑低木。日蔭や大気汚染の場所でもよく育つ。冬になると茎頂から円錐花序をだして白い小花を鞠状に集めて八方に開く。



  花茎(はなくき)のあらはに太くわかれ咲く
  八ツ手の花は群れつつ小さし   三ヶ島葭子
                    
  接吻(くちづけ)をかなしく了へしものづかれ八つ手団花
  (たまばな)に息吐きにけり   宮 柊二
                     
  月出でていよいよ暗きわが庭に八つ手の花の光りはじめぬ
                  大西民子

  おほよそは飢ゑにかかはるものいひのさむざむと霜に咲く
  花八つ手            塚本邦雄