天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

六角ノ井

六角ノ井を覗く

 鎌倉十井のひとつ。和賀江から小坪に向う道の傍にある。別名「矢の根井戸」。傍らに説明板によると、源為朝伊豆大島から放った矢がこの井戸に落ちて矢じりが残ったところからこの名がついた。井戸替えの際には、矢じりを入れる竹筒を取り替えていた。今も井戸の中段に祭ってある。井戸の形は八角形で、六角が鎌倉分、二角が小坪分という割り当てだったという。なんかよく分からない説明だが、桶に汲みだす水の割り当てを意味している。鎌倉の山地には水を豊富に湛えるような大きな山がないため、真水の確保には苦労したようだ。


  くらぐらと水溜めるらし破れ板の小屋が隠せる八角の井戸