天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

白花藤

鎌倉・鶴ヶ丘八幡宮にて

  これは園芸品種である。よく見かける紫藤には、野田藤と山藤の二種類がある。前者は、蔓が右巻きに他の物にからみ、後者は逆に左巻きにからむ。



  揺れ揺れて百聯白き藤の花ひびきもあらず
  光にあそぶ         坪野哲久
                     
  白藤のせつなきまでに重き房かかる力に
  人恋へといふ        米川千嘉子
                     

次のわが歌は、里山のこもり沼の辺に咲く山藤を詠んだもの。


  昨夜降りし雨に濁れる池の面に影あはく垂る藤の花房