天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

花水木

二宮町吾妻山にて

 アメリヤマボウシとも言うように、北米原産のミズキ科落葉小高木で、大正初年に渡来した。街路樹としてもよく見かける。10月頃に赤い実が熟れる。
吾妻山の斜面に咲いていた。コゲラ(啄木鳥)が盛んに枝を突っついていた。虫を追い出しているのだろう。写真に撮ろうとしたが、距離が離れているのと、ちっともじっとしていないので、焦点が合わず失敗した。


      山頂の神の依代楠若葉
      啄木鳥がしきりに敲く花水木
      三味線の音澄みとほる若葉かな
      
  貼り出だす「いなだ、大あじ生しらす」相模の海の幸を
  うたへり


  山峡のみどりの木々にからまれるむらさきうすき山藤の花
  網に干す鯵に鴉のとび来りつひばみはじむ二宮の磯
  世界不況 立入禁止の突堤にうしほ見つめて釣人ならぶ
  釣りあぐる魚はあらず突堤に時を過ごせる釣人の群
  吾妻山いただきに立つみどり葉の榎は若し雷神が恋ふ
  風かをる若葉の梢に美しき声にうたへるあの鳥は何