天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

蛇苺

鎌倉・建長寺にて

 バラ科多年草。茎は地を這う。くちなはいちご とも。日本全土、東アジアに分布する。夏の季語。



      蛇苺朝夕は日も濡れにけり
               福永耕二
      道問へば吉野訛りや蛇苺
               寺島初巳


  蛇いちごほのかに赤しその君のその唇は吸ふよしもなし
                       吉井 勇
  われの内部の妬心覗いてしまいたる蛇苺踏みても踏みても紅し
                       平井 弘
  やさしさの限りも知らに降る雨にくちなはいちごこのくれなゐは
                       紀野 恵