天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

香山園

香山園

 「かごやまえん」と読む。武相荘からの帰りに立ち寄って見た。ここの入園料も千円と高価である。子供は入園できない。ここは神話時代から続く神ノ倉龍蔵一族の神蔵宗家第二十四代盛清が、大永五年(1525)に小田原城主・北条氏綱から賜った土地である。現在も神蔵家が香山園を所有している。
収蔵品には、富岡鉄斎の屏風絵、茶道具、年代ものの調度品など多いが、寂蓮法師の筆になる古今和歌集仮名序や江戸時代の英和辞典(枕辞書)に惹かれる。現在の建物は、明治三十九年に建て直されたものなので、1544年建立時の面影を知る由もないが、池泉回遊式庭園は往時の様子をとどめているという。
訪問客は私以外誰もいなかった。受付に行くと初めて家内に電灯をつけてくれた。