天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

麒麟

多摩動物園にて

 偶蹄目キリン科。ジラフ。声帯の発達が悪く、ほとんど声を出さない。あんなに首が長いせいなのだろうか。



  人類のほろびをいそぐときをしもキリン悠々と
  空を仰げり            加藤克巳
                       
  秋風に思ひ屈することあれど天なるや若き麒麟
  の面               塚本邦雄
                       
  あきかぜの中のきりんを見て立てばああ我といふ
  暗きかたまり           高野公彦
                       
  子もわれも秋のキリンとなりながら丘の上なる
  夕陽を仰ぐ            三枝昂之