天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

犀の顔(多摩動物園にて)

 奇蹄目サイ科の総称。アフリカには、クロサイとシロサイ、南アジアにはインドサイ、ジャワサイスマトラサイ が棲息する。草食性で嗅覚・聴覚は鋭敏だが、視覚が鈍い。



  鏡よりわれをし視るは年月のつもりて古りし
  顔のー犀の眼          玉城 徹
                      
  指させば子よ白犀が偉大なる愚直の如く立てり
  歩めり            佐佐木幸綱
                      
  ああかくも物の如くに犀は立ち疾走の衝動を
  踏んでいるのか        花山多佳子
                      
  雪が雨にかはる夕べは傷ついた緑の犀のねむり
  をぼくに            大辻隆弘