天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

夢に解く

永田和弘の歌集

 小池 光さんのブログ「世界を揺るがした十日間」2009年12月27日 「753」
http://blog.livedoor.jp/qqng48r9/archives/51667432.html
を見て、よく理解しなかったことが、潜在意識に残っていたせいか、夢にうなされ別の問題を解くはめになった。
ピタゴラスの定理を満たす連続する正の整数の組を求めよ」という問題である。
連続する正の整数を、X,X+1,X+2、X 〉0 とおけば、次の方程式を解けばよい。
    X*X + (X+1)*(X+1) = (X+2)*(X+2)
これを整理すると
      X*X-2X-3= 0
を解けばよい。因数分解すれば、
     (X-3)(X+1)= 0
従って、X=3 となる。結果、ピタゴラスの定理を満たす連続する正数の組は、(3,4,5)一つということになる。では、連続する正の偶数ならどうなるか? 答えは、(6,8,10)一組のみ である。ちなみに連続する正の奇数はない。
 夢にうなされる話はこれぐらいにして、短歌で数式に関連する歌を詠んだ歌人永田和宏がいる。次のような例である。

  〈虫くい算〉さわやかにわが脳葉に展がりゆける火の秋の空
                     『メビウスの地平』
  スバルしずかに梢を渡りつつありと、はろばろと美し古典力学
                     『黄金分割』
  函数の無限発散・収束不可 飛行雲まで夕映えながら
                     『無限軌道』
  デデキントの無限分割 〈孤〉を綴り雪野はるかに消ゆる枕木
                     『無限軌道』
  声低く兄いもうとが解きいたる真夜の隣室因数分解
                     『饗庭』
  終速度となりて雨滴のおつることはるか計算式に降る冬の雨
                     『饗庭』
  
なお、俵 万智の次の歌もよく知られていよう。
  シャンプーの香をほのぼのとたてながら微分積分子らは解きおり
                     『サラダ記念日』