天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

つばめ

神奈川県山北町にて

 ユーラシア大陸、アフリカ北部、北米大陸などに分布。日本には夏鳥として渡来し、全国各地の人家の軒先などに巣を作る。秋になると南方へ去るが、一部に越冬するものもいるらしい。呼び名には、他に、つばくら、つばくろ、つばくらめ がある。万葉集には、次の一首のみが載っている。


  燕来る時になりぬと雁がねは本郷(くに)思ひつつ雲隠りなく
                 万葉集大伴家持
  すくすくと生ひたつ麥に腹すりて燕飛びくる春の山畑
                     橘 曙覧
  のど赤き玄鳥(つばくらめ)ふたつ屋梁(はり)にゐて足乳根の
  母は死にたまふなり          斎藤茂吉
                     
  洋妾(らしやめん)の長き湯浴(ゆあみ)をかいま見る黄なる
  戸外(とのも)の燕(つばくろ)のむれ    北原白秋
                     
  大工町寺町米町仏町老母買ふ町あらずやつばめよ
                     寺山修司