天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

洒水の滝

神奈川県山北町にて

 「新編相模国風土記稿」には「蛇水の滝」と出ているらしい。洒水(しゃすい)とは、密教用語で清浄を念じてそそぐ香水を意味する。過去にもこのブログで紹介したが、この滝は、三段からなり、一の滝は69m、二の滝は16m、三の滝は29mという長さを持つ。鎌倉時代、文覚上人が百日間、この滝に打たれる荒行を積んだと伝える。
御殿場線山北駅で下車、案内板に従って30分ばかり歩く。滝近くの「さざれ石」という茶店は健在であったが、今回は立ち寄らなかった。


    巣づくりの相手見つけてつばめ来る
    山間の滝水長き白布なす


  天がけて来しつばめらが巣作りの場所と決めたる山北の駅
  巣作りの相手みつけて軒先をつばめ出で入る山北の駅
  新緑の山の裂け目に白絹を垂らせるごとく長き滝水