天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

土器

大磯町郷土資料館にて

 どき、かわらけ。釉薬を用いない素焼の器物で、形、文様などに時代・地域の特色が反映される。日本には、縄文、弥生、土師器、須恵器などがある。以下では、陶器やガラス器を含めた瓶についての歌も取りあげる。万葉集長歌に、「・・・陶人(すゑびと)の作れる瓶を・・・」という例がある。


  久しかれあだに散るなと桜花かめにさせれどうつろひにけり
                    後撰集・紀 貫之


  打つ者も打たるる者も土器(かはらけ)よ砕けて後はもとの
  つちくれ            北條九代記・三浦道寸


  白埴(しらはに)の瓶(かめ)こそよけれ霧ながら朝はつめたき
  水くみにけり                長塚 節


  花瓶(はながめ)のつらつら椿燈(ひ)に映えてあたらしき年は
  せまり来むとす               吉野秀雄