天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

伊豆熱川

オオオニバスの花

 今年の観光地は、東日本大震災に対する自粛ムードのせいか、人出が随分と減ったらしい。各旅館やホテルは、通常の料金を減額して集客に努めたようだ。その恩恵に浴するべく、久しぶりに伊豆熱川に泊った。ワニ園・バナナ園がある。海水浴シーズンでもないので、観光客は少ない。


     海を恋ふ伊豆熱川の鯉のぼり
     葉桜やふてくされたる鰐の群
     潮騒の朝の目覚めや伊豆の春


  伊豆急の窓に迫れる新緑の山の斜面に墓ならぶ見ゆ
  それぞれが思ひのたけをしゃべるがに駅のホームの極楽鳥花
  はるかより運ばれきたるピラルクー伊豆熱川の水槽に見ゆ
  一つ根に茎いく筋も伸びるらしオオオニバスの白き花咲く
  金色の身を泳がせて人目惹く大き目をもつ伊豆のアロアナ
  鰐園の鰐に与へし鳥肉の骨ののこりて白く乾ける
  鰐園が壊れて鰐の逃げたらば食はれてしまふ鴨もアヒル
  あをぐもの伊豆熱川のワニ園のワニは運動不足ならずや
  晴るる日は御蔵島まで見ゆといふ伊豆熱川の海岸に立つ