天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

さくら草

鎌倉・長谷にて

 サクラソウ科の多年草。花冠は五裂して先がくぼみ、其部に花筒がある。江戸時代から観賞用に栽培された。クリンソウユキワリソウなどは近縁種である。春の季語。


     花の奥より蕾駈け出づ桜草   加藤楸邨
     桜草咲いてむかしの暴れ川   松本泰二


  鉢植の変種あまたのさくらさう見めでし父よ六十年前
                    岡 麓
  春日照る岡べの草にまじり咲くさくら草の花をともしみにけり
                    松村英一
  桜草窓辺に置けば乱れ降る雪のひかりとともに明るし
                    長田雅道
  わが買いしさくら草を貧弱と妻は言いぬこういう感じが
  好きなのである           大島史洋
                        
  桜草あふれんばかり彩ひをり白山吹の咲く垣の内
                    利根川