天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

向日葵(ひまわり)

横浜市東俣野の田園にて

 キク科の一年草。北アメリカ原産。観賞用と油料用がある。種子はナッツとして食用にされる。日輪草、ひぐるま などとも呼ばれる。


     熟れてきて向日葵の花凹むかな  長谷川櫂
     向日葵に種ぎつしりと水明り   長谷川櫂
     向日葵の種ばらばらと外しけり  長谷川櫂


  一粒の向日葵の種まきしのみに荒野をわれの処女地
  と呼びき              寺山修司


  向日葵は枯れつつ花を捧げおり父の墓標はわれより低し
                    寺山修司
  旧地主帰りたるあと向日葵は斧の一撃待つほどの 黄
                    寺山修司
  鋸の熱き歯をもてわが挽きし夜のひまはりつひに 首無し
                    寺山修司
  道化師と道化師の妻 鉄漿(かね)色(いろ)の向日葵の果(み)
  をへだてて眠る           塚本邦雄


  君こそ淋しがらんか ひまわりのずばぬけて明るいあの
  さびしさに            佐佐木幸綱