天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

グラジオラス

江ノ島にて

 アフリカ、地中海沿岸地方原産のアヤメ科の球根植物。わが国には明治時代に、欧米から交配種が輸入された。秋植えの早咲きと春植えの夏咲きがある。花の色は多い。夏の季語だが、傍題に唐菖蒲、和蘭(オランダ)あやめ がある。渡来当時の命名の名残であろう。


  夕くらき室より出でてたたずめばグラヂオラスの
  清白の花              松村英一


  日にいくつ咲きのぼるらむグラヂオラス花十いくつ
  咲きて傾く            大塚布美子


  農地また原野にもどる日日あわれグラジオラスは雨
  に咲きたり             宮岡 昇


  駄菓子屋はグラジオラスも売りていき裏に小さな畑
  をもてば             花山多佳子